社会に大きな衝撃を与えた「セクシー田中さん問題」。
2024年1月29日、漫画『セクシー田中さん』の原作者・芦原妃名子さんがこの世を去ってしまいました。
その理由には、『セクシー田中さん』のドラマ化での”脚本トラブル”がきっかけだったのではないかと言われていました。
その後、小学館が説明会を開いたり、日本テレビは社内特別調査チームによる調査を行いました。
社会的にも大きな話題となった『セクシー田中さん』問題、芦原妃名子さんに一体何があったのでしょうか?
そこで今回の記事は、
こちらの内容でまとめていきます。
【時系列】芦原妃名子に何があった?
芦原妃名子さんといえば、1994年に漫画家としてデビューし、『砂時計』や『Piece』などの人気漫画作品を世に送り出していました。
簡単に芦原妃名子さんのプロフィールをご紹介します↓
名前:芦原妃名子(あしはらひなこ)
本名:松本律子(まつもとりつこ)
生年月日:1974年1月25日
没年月日:2024年1月29日
年齢:50歳没
出身地:兵庫県
漫画家デビュー:1994年
代表作:『砂時計』、『Piece』、『セクシー田中さん』
芦原妃名子さんの漫画作品は、2度の小学館漫画賞を受賞し、多くの人に愛されていました。
代表作である『セクシー田中さん』は、
2023年8月に単行本発行部数が累計100万部を突破
していました。
芦原妃名子原作の『セクシー田中さん』がドラマ化!
大きなヒットとなった『セクシー田中さん』は、
2023年10月には日本テレビ系で木南晴夏主演でドラマ化
されました。
しかし、原作者・芦原妃名子は、
ドラマ化における脚本トラブルがあった
ようです。
そして、芦原妃名子さんは、
2024年1月29日、栃木県内のダムで亡くなっているのが発見
されたのです。
『セクシー田中さん』の作者で漫画家の芦原妃名子さんが、栃木県内で死亡しているのが見つかりました。
現場の状況から自殺とみられるということです。
引用元・NHKオンライン
芦原妃名子さんは栃木県日光市内の川治ダムで遺体となって発見され、遺書のようなものも見つかり、自殺と断定されました。
なぜ、芦原妃名子さんは亡くなってしまったのでしょうか?
一体何があったのでしょう?
これまでの経緯を含め、次で詳しく見ていきましょう!
【時系列】セクシー田中さん問題の経緯!ツイッター削除内容は?
「セクシー田中さん問題」を大きくまとめると、このようになります↓
・2023年10月、日本テレビで『セクシー田中さん』がドラマ化
・12月24日:『セクシー田中さん』の脚本家・相沢友子が自身のSNSで「過去に経験したことのないトラブルで困惑した」と投稿
・12月28日:脚本家・相沢友子が再びSNSを更新し、「私が脚本を書いたのは1~8話で、最終的に9・10話を書いたのは原作者」と投稿
・2024年1月26日:芦原妃名子がブログとSNSを更新し、”脚本トラブルがあった”と投稿し、9話・10話の脚本を自ら担当したと告白
・1月28日:波紋を広げたとして謝罪し、一連の投稿を削除し消息を絶つ
・1月29日:栃木県日光市川治ダムで死亡しているのが見つかり、遺書があったことから自殺と断定された
では、一つずつ見ていきましょう!
①2023年10月:『セクシー田中さん』ドラマ化
2023年10月、日本テレビ系で『セクシー田中さん』が木南晴夏さん主演でドラマ化されました。
『セクシー田中さん』は、主人公・田中京子と出会って考え方や人生が変わっていく“大人たち”の物語です。
仕事・結婚・年齢など周囲から色々と言われるアラフォー女性を主人公に、リアルな周りの声を受け入れながらも受け流し、胸を張って我が道をいく生き様が描かれています。
人気漫画のドラマ化ということで評判は上々だったようです。
②12月24日:脚本家・相沢友子がSNSを発信
ドラマ『セクシー田中さん』の脚本は、
脚本家・相沢友子さん
が担当しました。
相沢友子さんは、ドラマ『ミステリと言う勿れ』『ビブリア古書堂の事件手帖』などを担当してきた、有名な脚本家です。
ドラマ最終話放送日の2023年12月24日、相沢友子さんが自身のInstagramで、このように発信しました↓
「『セクシー田中さん』今夜最終話放送です。
最後は脚本も書きたいという原作者たっての希望があり、過去に経験したことのない事態で困惑しましたが、残念ながら急きょ協力という形で携わることになりました。」
引用元・相沢友子Instagram
この投稿では、
・今夜『セクシー田中さん』最終回放送日だが、脚本は自分ではない
・原作者の希望により過去に経験したことがない事態で困惑した
・ドラマには協力という形で携わった
と書かれています。
「最終回の脚本は自分が書いたものではない」
との投稿でした。
ドラマを見ていた視聴者としては、この投稿は衝撃的な事実だったことでしょう。
なぜ、最終回の脚本は相沢友子さんが書いていないんだろうと疑問に思う方がいたことでしょう。
③12月28日:相沢友子が再びSNSを更新
12月28日、相沢友子さんは、追加で以下の投稿をされています↓
「私が脚本を書いたのは1~8話で、最終的に9・10話を書いたのは原作者です。誤解なきようお願いします。
今回の出来事はドラマ制作の在り方、脚本家の存在意義について深く考えさせられるものでした。この苦い経験を次へ生かし、これからもがんばっていかねばと自分に言い聞かせています。
どうか、今後同じことが二度と繰り返されませんように」
引用元・相沢友子Instagram
・9話と10話の脚本は、自分が書いたものではない
という事を再度主張されていました。
実際に、『セクシー田中さん』の最終回放送後は、内容に対する批判の声も多数あったようです。
そのため、自分が書いた脚本ではないことを強く主張したかったのでしょうか。
③2024年1月26日:芦原妃名子がSNS投稿
2024年1月26日、原作者・芦原妃名子さんがブログとSNSを更新しました。
脚本家・相沢友子さんの投稿を受け、原作者・芦原妃名子さんが9話・10話の脚本を書くに至った経緯を説明するためでした。
※この芦原妃名子さんの投稿は、後に削除されています。
「私が9話、10話の脚本を書かざるを得ないと判断するに至った経緯や事情を、きちんとお伝えした方が良いのではと思い至りました。この文章を書くにあたって、私と小学館で改めて時系列にそって事実関係を再確認し、文章の内容も小学館と確認して書きました」
「セクシー田中さん」のドラマ化にあたり、原作者として以下の条件を提示したこと
を明かしました。
その提示した条件は、以下の通りでした↓
・必ず漫画に忠実に。漫画に忠実でない場合は加筆修正する
・未完の原作の今後に影響を及ぼさないよう、原作者があらすじからセリフまで用意する
・ドラマオリジナル部分については原作者が用意したものをそのまま脚本化する
・場合によっては、原作者が脚本を執筆する可能性もある
これらの内容をドラマ化する条件として、小学館を通じて日本テレビに伝えたそうです。
この条件で本当に良いかということを何度も確認し、ドラマがスタートしていました。
しかし、実際には、毎回原作を大きく改変した脚本が提出されていたとのこと。
・漫画であえてセオリーを外して描いた展開を、よくある王道の展開に変えられてしまう。
・個性の強い各キャラクター(特に朱里・小西・進吾)は原作から大きくかけ離れた別人のようなキャラクターに変更された。
・作品の核として大切に描いたシーンは大幅にカットや削除され、まともに描かれてなかった。
これらについて理由を聞いても、納得できる答えは頂けなかったそうです。
そしてその後も芦原妃名子さんには困惑する出来事が多数ありました。
・改変された内容をほぼ毎回にわたり加筆修正を余儀なくされた
・なんとか原作通りの脚本の完成にこぎつけたのが1〜7話だった
・終盤のドラマオリジナル展開も芦原妃名子さんが用意したものとは大幅に改変されており、8話はなんとか修正。
これらのことから、
9話と10話については、「原作者が用意したものをそのまま脚本化していただける方」に交代してほしいと依頼した
そうです。
にもかかわらず、最終的に9話・10話は相当短時間で芦原妃名子が執筆しなければならない事態となりました。
芦原妃名子さんは、
「8話までの脚本を執筆された方は9話・10話の脚本には関わらない」と聞いていたそうですが、相沢友子さんのInstagram投稿により「協力という形で関わっていた」ということが判明した
のでした。
また、芦原妃名子さんは、9話・10話の脚本については、素人(自分)が見よう見まねで書いたため、力不足が露呈する形となり反省と謝罪を述べていました。
芦原妃名子さんからの経緯を見ると、悲痛な思いが伝わってきますね。
条件を提示し、確認したにも関わらず約束が守られず大変な思い、辛い思いをされたことが分かります。
『セクシー田中さん』は、原作漫画では最終回を迎えていない作品のため、原作者の芦原妃名子さんとしては、ドラマの展開というのは大変重要なものになるはずです。
原作者の芦原妃名子さんの思いが、ドラマ制作側に届いていなかったのでしょうか。
④1月28日:芦原妃名子がSNSを投稿削除後、行方不明に
SNSでこれまでの経緯を説明した芦原妃名子さんでしたが、その2日後の2024年1月28日、新たにSNSに投稿をしました。
1月26日の芦原妃名子さんのSNS投稿は、ニュースでも大きく報じられました。
この日、「ごめんなさい」という投稿をし、1月26日の投稿をすべて削除し、ブログは閉鎖されたのです。
そして、その後行方不明となり、親族が警察に「失踪届」を提出していました。
1月26日の投稿では、誰かを責めている印象はない内容で経緯を説明しただけの投稿と感じましたが、社会的に大きく取り上げられたことで芦原妃名子さんは、自らを責めてしまう形となってしまったのかもしれませんね。
⑤1月29日:芦原妃名子の自死
行方不明となっていた芦原妃名子さんは、
2024年1月29日、栃木県日光市の川治ダムで、遺体となり発見
されました。
場所がダムだったことから、死因はダムに身投げしたのではないかという憶測がされていました。
直接的な死因は公表されていないため、あくまで憶測です。
そして、遺書とみられるものが発見されたことから、自殺と断定されました。
遺書の内容は公表されておらず、遺書全文は不明です。
ただ、遺書として書かれたものは数行で、行方をくらませた理由などが書かれていたそうです。
芦原妃名子の自死の原因まとめ
芦原妃名子はなぜ自死を選択したのか、その理由ははっきりとはわかりません。
ですが、やはり、ドラマ『セクシー田中さん』の脚本をめぐるトラブルが発端だった可能性は高いでしょう。
・事前にドラマ化の条件を提示し、確認も行ったにもかかわらず、それが守られなかったこと
・何度も加筆修正を行い、再度9話・10話についての具体的なお願いをしたが素人でありながらも自分で脚本を書くことになった
・最終回についての批判での心労があった
・相沢友子さんの投稿により、9話10話に関わっていたことも判明し、ショックを受けた
これらのことが考えられます。
「必ず漫画に忠実に」という芦原妃名子さんの切実な思いが守られなかったことで、
「ドラマ化を今からでもやめたいぐらい」
と訴えていたようです。
作品にこだわる思いが強い中、それがドラマ制作側に伝わらず、精神的にもダメージを受けていたようですね。
出版関係者は、「相当な心労があった」と発言し、芦原妃名子が疲弊していたことを明かしています。
別の出版関係者も「本業の漫画の連載に追われる中、脚本の加筆修正もしなければならず、心身共に負担は大きかったはず」と発言しました。
さらに、
原作改変を巡る一連のトラブルに加え、メディアやSNSでの意図しない批判が泣き起こったことも追い打ちとなってしまった
ということも考えられます。
これらの要因から精神的に追い込まれてしまい、芦原妃名子さんは自死を選択する結果となってしまったのかもしれませんね。
芦原妃名子の訃報に相沢友子の反応は?
投稿したコメントには、
「初めて聞くことばかりで、それを呼んで言葉を失いました。訃報を受けた時には頭が真っ白になりました。」
としていました。
また、2023年12月に、ドラマの脚本に関するコメントを投稿したことについては、
「慎重になるべきだった」
と述べています。
相沢友子さんとしては、芦原妃名子さんが投稿した内容については、知らない事実だらけだったようですね。
この相沢友子さんの投稿から、芦原妃名子さんの「原作に忠実に描いて」という要望が、脚本家の相沢友子さんに伝わっていなかった可能性が考えられました。
この相沢友子さんのコメントにより、小学館や日テレに対し、真相究明を求める声があがりました。
芦原妃名子の訃報に、小学館や日テレの対応は?
芦原妃名子さんの訃報を受けて日本テレビはドラマ『セクシー田中さん』の公式サイト上で、このようにコメントしています↓
「芦原妃名子さんの訃報に接し、哀悼の意を表するとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。2023年10月期の日曜ドラマ『セクシー田中さん』につきまして日本テレビは映像化の提案に際し、原作代理人である小学館を通じて原作者である芦原さんのご意見をいただきながら、脚本制作作業の話し合いを重ね、最終的に許諾をいただけた脚本を決定原稿とし、放送しております。本作品の制作にご尽力いただいた芦原さんには感謝しております。」
しかし、保身を感じるこの内容を巡って、批判が殺到する事態となってしまったようです。
一方の小学館のコメントです↓
「突然、最愛の家族を失い、私たちは茫然自失のただ中におります。取材のご依頼をいただいても、とてもお話できる状況にはありません。また、こうした状況下、見知らぬ方から声をかけられることに怖れを抱いております。どうぞ、今はそっとしておいていただき、静かに見守っていただければ幸いです。よろしくお願いします。」
しかし、ネット上では関係者等に対する誹謗中傷が相次いでいたと言います。
“逃げ対応”とも言われ批判が続き、2024年4月期に予定されていた小学館の発行する漫画「たーたん」のドラマ化が中止となる事態に発展したと報じられています。
このドラマ化は、「セクシー田中さん」と同じプロデューサーが担当すると報じられ、さらに猛批判を受ける結果となってしまったようです。
「ほかでもない、『セクシー田中さん』問題の余波です。原作者の芦原妃名子さんが脚本トラブルを訴えた直後に亡くなってしまった。日本テレビと小学館は“芦原さんを守れなかった”と世間からの風向きが厳しくなるばかりで、この状況下で再びタッグとなれば批判は避けられません。制作中止以外の選択肢はあり得なかったでしょう」
引用元・週刊女性PRIME
原作者・芦原妃名子さんの訃報という最悪な結果が社会に与えた影響というのは相当大きな問題であるということでぢょうか。
このような事が二度と起こらないことを願いたいですね。
まとめ
今回の記事は、
・『セクシー田中さん』の原作者・芦原妃名子に何があった?
・「セクシー田中さん問題」を時系列まとめ
こちらの内容でまとめました。
芦原妃名子さんが原作者として『セクシー田中さん』への熱い思いやこだわりを持っているのは当然のことです。
だからこそ、ドラマ化にあたっての条件提示をされていたことでしょう。
ですが、ドラマを制作する側としては、原作通りの内容では演出できない部分もあることでしょう。
それだけ、漫画をドラマ化する難しさはあるのかもしれませんね。
ですが、意思疎通や説明不足な点もあったことで、今回のような大きな事件となってしまったのかもしれませんね。
今度芦原妃名子さんの新たな作品が見れないのは本当に残念でなりません。
ですが、「セクシー田中さん」を含め、芦原妃名子さんの作品は今後も人々に愛され続けることでしょう。
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